ソウルといえば、焼肉や韓国料理をいただくというのが定番ですが、新しいソウルの定番としては、こだわりの色濃いコーヒーショップやカフェを巡る、というのもありではないでしょうか。このブログでもソウル随一のカフェや珈琲をご紹介させていただきましたが、今回もそのシリーズで、新しく1軒をご紹介させていただきます。それが、文来駅(ムンレ駅、ムレ駅)にありますオールドムレ Old Mullae(올드문래)です。
オールドムレ Old Mullae(올드문래)が位置する文来エリアは、地元の中小工場、機械工の方々が集まる地域で、観光客が集まる華やかなエリアとはまるで無縁の場所でした。言葉を選ばずにいえば、どこか薄暗く寂れ廃れたような雰囲気が漂う場所でした。
ところが最近、この文来エリアの町全体が発する「味」を逆手に取った、メカニカルでロックなお店が続々とオープンするという、新しいかたちでの街の再開発が進んでいます。この文来エリアのカフェやレストランの中でも大人気となっているのが、オールドムレ Old Mullae(올드문래)です。
路地を1本入った先の巨大空間
オールドムレ Old Mullae(올드문래)は、文来駅の7番出口から歩いて8分程度の場所に位置しており、道なり自体は一度行ってしまえば簡単なものです。ただ、初めてその場所に行く際は、少々入り組んだ路地を歩くので、どこか迷路に入り込んでしまうような錯覚を覚えるかもしれません。
路地に立つ、Old Mullaeのサイン通りに角を曲がると、カフェの入口が見えてきます。大きなサインボードがお店のランドマークにもなっており、しばしばInstagramなどのSNSでも取り上げられています。
ここまではこの写真の通り、どこか薄暗く、ダークな印象を覚えたのですが、一歩その店内に足を踏み入れると、まるで違う世界が広がっていました。
まず目に入って来るのは、ありったけの緑と花。鉄鋼とは真逆のナチュラルでフローラルな空間が訪問者を迎えます。訪問時期が12月だったので、大きな巨大クリスマスツリーもありました。
そしていよいよお店の中に入ると、そこには工場跡地を活用した巨大な空間が広がっており、とてつもなく洗練されたアート空間にさえ感じる美しい景色が広がっていました。
もともとここは、1930年代に建てられた工場だったそうなのですが、その工場の色合いや文来らしい「鉄」の魅力が現代センスに再解釈され、多くの人々を魅了する場所となっています。
この壁にある鉄鋼でできた滑車の組み合わせは、単なるデザインではなく実際に動いています。動画に撮ってみたのでご覧ください。
工場跡地である店内はとても広く開放的。店内のあちこちに配置された緑や壁一面を覆う木材の温もりもあって、鉄筋コンクリートの建物にありがちな冷たさは一切ありません。アメリカ中西部を舞台にした昔懐かしのクラシックなアメリカン映画に出てきそうなパブの香りもします。
夜(18時〜)からは、完全にパブ営業をするオールドムレでは、韓国産のクラフトビアも含め、厳選されたクラフトビアが揃えられています。
韓国のクラフトビアは1種類のみなのですが、今回はそのクラフトビア「ゴリラIPA」(ボードの4番)を頼んでみました。こちらです。
とても飲みやすい味でした、フルーティーさのあるクラフトビアでしたので、ごくごくいけるのですが、何気にこのグラスが大きいので(笑)、一杯だけでもだいぶお腹にたまります。
このビアグラスの横にあるのは、本物の鉄です。街のアイコンである「鉄」をオブジェとして各テーブルに配するセンスは、文来(ムンレ)に誇りと愛情を持つ女性オーナーならでは。
彼女のインタビューは、VIDEOTRUCKさんの作品を通じてYoutubeに上がっています。韓国語ではありますが、背景に移るオールドムレの映像で、この場所の魅力は十分に伝わるのではないかと思います。
コーヒー韓薬房(コピハニャクバン)しかりなのですが、韓国では今、あえて古き良き時代の哀愁を活かすカフェやバーがオープンしています。そして、そうしたお店ほど話題になるところを見ると、人々がどこか、現代社会の中でもノスタルジックな場所を求め始めているような新しい韓国社会のトレンドを感じずにはいられません。
ここ、オールドムレ Old Mullae(올드문래)には、まだ知らない新しいソウルがあります。そしてここには、30代や40代の大人達こそが心を解放できる空間が広がっています。必見です!
オールドムレの営業時間
月曜〜木曜: 12時〜深夜0時
金曜〜土曜: 12時〜深夜2時
日曜: 午後1時〜午後10時
オールドムレの場所は、こちら
最寄駅は、文来(ムンレ)駅です。
- 味の良さ
- 雰囲気の良さ
- アクセスの良さ
一言レビュー
新しいソウルの息吹を感じる場所!