韓国のインスタグラマーがこぞって訪問し、デザイン性の高いパッケージに入ったカフェラテやサンドウイッチをページに挙げる、そんな人気カフェが今回ご紹介させていただきます、ホランイ(호랑이)です。ホランイ(호랑이)とは、ライオンを意味する韓国語で、パッケージデザインにはライオンをあしらったものがメインデザインとして採用されています。
異色の立地にあるホランイ(호랑이)
ホランイ(호랑이)があるのは、韓国の中小や卸のお店が集結する工業地帯でもある乙支路エリア。ここ最近では、工業地帯の乙支路エリアの再開発が進み、あえてその無骨な雰囲気を残しつつ、デザイン性の高いお店をオープンさせる動きが高まってきています。古きを残して新しい若者の文化エッセンスを足して、新しいものに昇華させていく、そんな時代の動きが韓国ソウルではよく見かけます。
ホランイ(호랑이)は、この黄緑色の古びた建物の2階にあるのですが、カフェがありそうな雰囲気とはまるで異なるため、もしかすると、通り過ぎてしまう可能性すらあります。
この建物の横を歩いていくと、2階で上がる階段があり、そこを登っていきます。本当にわかりづらいです。笑
階段を登っていくと、そこからは、街一帯が見渡せる空間が広がります。”絶景”と呼ばれる類ではないですが、乙支路の等身大の姿が広がります。
2階に広がる複数の飲食テナント
階段を登った先の2階スペースには、複数の飲食テナントが並びます。1階で見えていた世界とはまるで異なり、最近になってテナントに入ってきた新しい若者向けのお店が並びます。
この一帯自体がソウルの若者の注目を浴びているのか、平日でも人が行き交っていましたが、その中でも圧倒的に人気を誇っていたのがホランイでした。
コワモテの店員さんだけど、とても優しい!
お店の中はというと12畳もないようなスペースながら人がぎっしり。人気なので、お店の外にも、ホランイ専用のテーブルスペースがあり、そこでも飲食ができます。こちらが、そのテーブルの上です。ホランイ(ライオン)のオリジナルシールが貼られた装飾になっています。
お店の中は、センスの光るインテリアに囲まれていて、このお店のオーナー、スタッフの皆さんの気概やアートな部分を感じられます。
ちなみに、一番人気のカフェラテは、W3,500 アメリカーノ(ブラックコーヒー)は、W3,000 ホランイサンド(サンドウィッチ)は、W7,000です。
店員さんは一見するとコワモテの方なんですが、笑顔ある接客をしてくださり、とても丁寧な方々でした。レトロなハットが店内に飾られていたり、アンティークな洋書があえて雑然と並んでいたり、「男のこだわりの部屋」のようなダンディズムを感じる場所で、雰囲気的には、梨泰院(イテウォン)にあるヘルカフェとよく似ています。
人気のカフェラテとサンドウィッチ
待つことしばし、カフェラテとサンドウィッチが出来上がりました。サンドウィッチはその季節のものを採用しているようで僕が行った時には桃でした。
この左側の袋にサンドウィッチが入っています。開くと、こちら。
たっぷりなまでに贅沢なまでに、ふんだんに大きな桃がまるまる入っています。
ここまでどっしり、ずっしりと桃をそのまま使ったサンドウィッチも珍しいのではないでしょうか。
そして肝心のお味は、というと。
サンドウィッチは、しつこくない甘さの生クリームと桃が絶妙にマッチしていて、とても食べやすかったです。フルーツサンドの生クリームというとあまったるいものもありますが、ホランイのサンドにはそれは感じませんでした。
カフェラテはというと、これはしっかりとした甘さがあります。上島珈琲店の黒糖コーヒーのような、甘さをしっかりと感じられるカフェラテで、疲れた夏の体にはだいぶ効きまして、ゴクゴクと飲んでしまいました。
コーヒーそのものの味わいとしては、まぁ。。といったところですが、フルーツサンド然り、カフェラテ然り、コワモテのお兄さんたちからは想像ができないような優しい甘さのある食べ物で、その違和感が逆に微笑ましくも感じました。
これは、個人的にとても感じることなのですが、韓国ソウルでは、強烈な学歴社会から外れてしまうとなかなか大成ができないような社会の空気感があったのではないかと思います。でも最近はというと、そんな道ではない形で、若者たちが自分たちのセンスや気概で時代を切り開いて、小さいけれど一国一城の主となるべくオープンさせるスモールカフェ、スモールショップが本当に増えているなぁと。そこに彼らのハングリー精神を感じる僕としては、単純な一つのカフェでは終わらない別の魅力、力強さをもまた感じました。
ホランイ(호랑이)の場所
- 味の良さ - 3.3/103.3/10
- 雰囲気の良さ - 3.5/103.5/10
- アクセスの良さ - 3.5/103.5/10
一言レビュー
若者のヒップな文化と「一旗あげてやろう」という気概をどことなく感じるカフェ