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これまでソウルNo.1のモクサル(首肩にかけての部位)は、幾度となく本ブログでも登場しているユクチョンシクタン(肉典食堂)でしたが、遂にこの日がやってきました。ユクチョンシクタンを超える、旨すぎるモクサルのお店に出会いました。断言です、No.1です。
美味しいサムギョプサルやモクサルを見分ける上では、割と5つくらいを見れば判断ができるんです。生産日や加工日を記した白いシールを持ち合わせているか。鉄板の温度を自動的に測るセンサーを持って最適な温度測定をするか。まず、この2つの条件をクリアするお店は、全体の5%もないと思います。かなり限られます。
センサーというのは、こちらです。
そして、お店が清潔かどうか(重要)。豚肉の赤い色合いの良さ(よどんでいたりピンク色だと、美味しくないことばかり)として、その鮮やかさはどうか。十分な厚みを持ってカットされているか。この5つというのは、ソウルのローカルっ子、グルメなインスタグラマー達があげるInstagramの写真からも判断することができるのですが、遂にそれを叶えるお店があり、今回出向いたんです。
文来駅にあるスッタルデジ(숙달돼지)
スッタルデジのスク(숙)は、熟成の熟。スッタル(숙달)は、熟練した、の意味になります。そうなんです、ここは最高に美味しい熟成期間を見極めたサムギョプサルや豚肉が提供されます。牛だけでなく、豚肉も熟成肉が注目される時代。熟成することによって甘みが強まります。
スッタルデジの場所は、文来(ムンレ)という場所にあります。ムンレ駅エリアは、金属加工、鉄筋加工などの工場、個人事業主が多いエリアなのですが、最近になってこのエリアのその独特な「味」を生かしてカフェなどが続々とオープン。古き良き下町工場の街にあえてカフェをオープンする取り組みで、注目スポットとなっています。
スッタルデジは、文来駅から歩いて10分程度の場所にあります。まだまだ知られざるニュースポットのため、日本人観光客はもちろん、韓国人ローカルの賑わいというのもそこまでありません。あくまで、完全にローカルな場所なんです。ムンレ(文来)駅自体が、ソウル西部にあり、同じ2号線のソウル駅からは、地下鉄で24分の距離です。
歩くこと10分。到着したのが、こちらの青い看板の横にあるお店、スッタルデジです。
お店は、だいたい50人程度が入れるほどの大きさでしょうか。小さすぎず、そこまで広くもない具合です。
お店の特徴であるこだわりの豚肉についての説明が看板に書かれています。
上位1%のプレミアム韓国豚を14日間ウェットエイジング、熟成し、それを熟練したスタッフが焼き上げることで最高の味に仕上げます、と書いてあります。
スッタルデジのお値段は?
スッタルデジでは、サムギョプサルもモクサルも1人前180gでW13,000(1,300円)とリーズナブルです。お肉の付け合わせに出てくるのは、十分な調味料の数々。塩やコチュジャンなどはもちろん、最近は増えてきた「わさび」もあります。行者ニンニクの葉をひたひたに浸した「ミョンイナムル」もついてきます。このミョンイナムルは、サムギョプサルやモクサルのベストパートナーで、単価が高いので提供してくれるお店はそこまで多くはないですが、まぁ絶品なんです。
ミョンイナムルは、上の写真の一番左奥、ピタッとした葉のものです。
まずは、サムギョプサル2人前を注文しました。出てきたのが、こちら。
これです、これ。この白い紙には、生産者が誰で、どのくらい熟成されているのか、などが書かれています。これはユクチョンシクタンでも提供されていた白いシールです。
顔の見えるサムギョプサルといいますか、安心感があります。
そして、このお肉を焼いていきます。
この色味の良さ。期待が膨らみます。スタッフさんが丁寧に時間を気にしながら焼いてくれます。そして綺麗にカットし並べてくれます。
うん、絶景! そして、これを数々の調味料とあい交えながら食べていきます。まずは、そのままシンプルに塩でいただきます。
うん、ジューシーで美味しい。豚肉の甘みがたち、申し分のない味わい。ミョンイナムルと絡めても食べてみます。このミョンイナムルは、やっぱり美味。抜群の相性です。
そして、わさびでもいただきます。さっぱりといただけます。
このサムギョプサルの味は、どの調味料で食べても見事にはまるのですが、なんといいますか、感動するほどの味かでいうと、そうではなく。「うん、うまい、期待通り」といった次元なんです。ムンレまできたわけで、せっかくだしモクサルを、と。モクサルも1人前だけ注文をしたんです。
それが、こちらです。
鹿や馬の肉のように赤々しいモクサルを焼いていきます。
モクサルも、サムギョプサル同様に綺麗にカットしてくれます。ある程度焼きあがると、焼き過ぎないように小さな網の上にのせてくれます。
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シンプルに塩だけでいただいてみます。
これが、うま〜〜〜〜〜〜い!!!!!
さきほどのサムギョプサルの記憶が飛ぶほどに、ジューシーで、モクサルというとその弾力性のある食感が特徴だというのに弾力感よりもジューシーさが前面に出ているから驚きです。一口噛んだ瞬間にじゅわ〜〜っと広がる豚肉特有の甘い肉汁。そのジューシーさで言えば、最高峰のハンバーグをいただいた時のようなみずみずしい味わいが感じられます。
ユクチョンシクタンのモクサルは確かに絶品です。でも、スッタルデジのモクサルは、その上をいく、凌駕する弾力とジューシーさがあり、豚肉はついにここまできたのか、と感動すら覚えてしまいました。きっとこれが、もともと上位の肉ながら熟成期間を経て旨味を作り出されたゆえの味。これを食べてしまうと、どうしても他のお店に今後出向こうにも嫌が応にも比較をしてしまいそうです。
最高に贅沢な食べ方として、モクサルにピッタピタのミョンイナムル、コチュジャン入りの特製味噌を乗せていただきます。
この味の極み! 豚肉ながら、モクサルながら、ある意味これは「わらび餅」です。わらび餅のような特有の弾力を残しつつ、あの透明でみずみずしさを感じられるジューシーさを持ち合わせています。
もっと正確に表現をすると、ロッテのブルーベリーガムです。
子供の時によく食べませんでした? ロッテのブルーベリーガム(紫色のパッケージで、板状のあれです)。あれをちょっと贅沢に複数枚同時に口に入れて(オトナ喰い)、思う存分ジューシーさを口に放り込んで作り上げた時の体験と一緒です。口の中の小さな(でも極上の)至福体験と言いましょうか。
豚肉ですし、キャビアでもトリュフでもありません。言ってしまえば庶民の手の届く味な訳ですが、僕は、このスッタルデジのモクサルを食べずして、豚の食文化は語れない、とさえ感じました。感動ものです^^
スッタルデジ(숙달돼지)文来駅の場所は、こちら
Konestさんの地図(動くバージョン)が、こちらです↑
動いてしまって操作性が悪い時用に、静止画像にして見たのが、こちらです。ムンレ(文来)駅の3番出口を出て左をひたすらまっすぐ進むとスターバックスにぶつかります。この交差点を右折してまっすぐ進みます。再びGS25を右手に見つつ交差点に差し掛かるので、ここを左に曲がれば到着です。道成としてはシンプルです。
スッタルデジ(숙달돼지)文来駅の営業時間
毎日11時30分〜23時まで営業です。
文来駅店は、一時日曜定休でしたが、日曜日も再び営業を再開しています。
スッタルデジ、舎堂(サダン)駅の場所は、こちら
こちらの舎堂(サダン)駅も駅自体がちょっと中心部からは離れた場所にあります。
こちらも営業時間は、11時30分〜23時です。
スッタルデジさんの公式HP
公式HP(韓国語)が、こちらです。
- 味の良さ
- 雰囲気の良さ
- アクセスの良さ
一言レビュー
食文化の最高峰を感じられる、至高で愛おしいモクサル!