行こうと行こうと思っていながら、これまで行けずにいた韓国ソウルのコーヒーの名店があります。それが、今回初めて訪れたお店、ナムサイロ(나무사이로)です。韓国のコーヒーレビューなどを見ると、だいたい名前が上がって来る店舗の一つに必ずこのナムサイロがあるのでずっと気になっていたんです。
ナムサイロの歴史
ナムサイロ(나무사이로)は、2003年から続く有名店で、コーヒーの卸から携わる本格派。かつては、ナムサイロで取引をした豆をそのままアメリカに輸出するようなことも手がけていたほどのお店。世界最高峰とも名高いパナマの豆、パナマゲイシャを取り扱う数少ないコーヒー店であることからも、その名店ぶりがうかがえます。2003年のオープン当初は、ソウル大学前でお店を始めましたが、現在は、景福宮駅からも徒歩圏の場所に移転をしています。
アクセス自体は比較的わかりやすく、ソウル地方警察庁の建物の後ろ側の通りにあります。一見すると小さなコーヒー店ですが、奥に広がるスペースがあり、お店の中に入って初めてその広さに気付かされます。こちらがお店の外観です。
店内には、コーヒー豆はもちろん、コーヒーにまつわる様々なオリジナルグッズも展開されています。
ナムサイロのコーヒー
ナムサイロコーヒーでいただけるコーヒーの一つ「パナマゲイシャ」については、一杯30,000ウォン(約3,000円)もしますが、そのほかのコーヒーについては、おおよそ日本円にして500円〜800円程度の範囲に収まります。お勧めはもちろん、ハンドドリップ。一杯一杯丁寧に作っていただけるコーヒーには、名店ならではのこだわりが詰まっています。
こちらが僕が訪れた際のメニューの一部です。
ハンドドリップの種類は、5種類。カラフルな付箋のものがそれで、付箋の左上にある数字が値段になります。上から「ラスヌベス」「ナラオラ」「エルパルドン」「コアデカ」「シルビア」とコーヒーの地名などをベースとしたオリジナルのコーヒーが並びます。
僕が今回いただいたのは上から2番目、「ナラオラ」です。アルファベットで、Wings Ethiopia Gedebと書いてありますが、記載の通り、これはエチオピアの豆を使っています。ワインと一緒で、コーヒーにも産地によってだいぶ味に違いがあるわけですが、そこまで細かく記憶していたり知識があるわけではないので(笑)、「困ったらエチオピアの豆」というのが僕の選び方です。
エチオピアの豆というとピンときませんが、実は、日本人にも馴染み深い、かの「モカ」もエチオピアの豆なんです。酸味とフルーティーさが絶妙にバランスを取っている豆が多く、渋さや苦さがなく比較的にさっぱりと飲みやすい豆が多い、というのがエチオピアの豆の印象です。特に、イルガチェフ(イルガチェフェ)というエチオピアの豆は、初めて飲むとコーヒー=フルーツなのだと痛感させられる新鮮さがあります。
そんなエチオピアの豆のハンドドリップコーヒー「ナラオラ」(W6,000、600円程度)を注文し、韓屋の作りの店内でしばし待ちます。ナムサイロの正面の門から入ると、さらにその奥に続くドアがあり、その先には正面にも右にも座席があります。
店名にあるナムサイロは、「ナム(木)」「サイ ロ(あいだ に)」という木々の間にという意味合いなのですが、自然と調和した、とても静かで落ち着いた雰囲気が店内にはあります。いわゆる”カフェ”なガチャガチャとした尖った造りではなく、日本でいう軽井沢が似合いそうな大人の風合いを感じる場所になっています。天井も、一本木がそれぞれ張り巡らされています。
そして、ナラオラのハンドドリップが出来上がりました。レジで渡されたブザーがなり、それを取りに行くスタイルです。
一口飲んでみてわかる、「あっ、これ」という安心の味でした。選んだ豆によってその味に違いはあると思うのですが、僕が選んだこのエチオピアのコーヒー、ナラオラは、とてもすっきりとした一切の雑味を感じることがない味でした。
ナムサイロで取り扱う豆の多くが、「浅煎り」で焙煎されるそうなのですが、あまり深く燻られないがゆえ、豆本来の味わいがダイレクトに感じられ、苦味で誤魔化されてしまうようなこともありません。ハズレのない味、という表現がしっくりくるのではないかと感じました。
韓国では最近多くのカフェが乱立していますが、その多くが、豆を直接買い付けているのではなく、買い付け業者から卸しているパターンです。一方で、ナムサイロは、豆を直接買い付けるだけのルートや基盤があるだけあって、様々な豆を鮮度の良い形で提供されています。そしてそれが味に反映されていることがわかります。今回初めて足を踏み入れたお店ですが、今後ソウルにお邪魔するときは必ず一回は立ち寄ろう、そう思えた場所でした^^
ナムサイロの場所
ナムサイロの営業時間
月曜〜金曜: 8時〜23時
土日祝日: 10時〜23時
- 味の良さ
- 雰囲気の良さ
- アクセスの良さ
一言レビュー
これぞ韓国の名店コーヒーの味と雰囲気。落ち着く大人向けの場所